お客様の声
3.82017
第110回 母屋の改装
角田 啓治 様 (ねっとわーく京都21 2017年4月号より)
古い町屋の改築を人見建設にお願いした。これまでにも何度か自宅の改装などでお世話になって、信頼できる工務店を知っていることは、ほんとうに良かった。安心してまかせられる。
自宅は1907(明治40)年に曾祖父 圓次郎が友禅染の渋紙製造で稼いで新築した家。町内にもたくさんあった京町屋の格子を残す家は、いまでは他になくなり、できればずっと昔からの京都の家の形を残し続けたかった。
でも、表通りに面した柱の根元などが長年の雨を受けて脆くなり、軒先もゆがみが増えてきていた。不安があり、耐震補強を兼ねて改築することにした。できるだけ昔からの家のようすをなるべく残して、現在の町屋と変わらない外観にしてもらうこと。また、表の玄関間の天井は梁の見える昔のかたちを残したいとの希望を受け止めてもらった。
改築する側は通りに面する表側半分で、しない側には私たちが生活し続けるかたちで工事が進んだ。耐震壁がとてもしっかり出来上がっていくようすや、和気あいあいとみんな仲のいい大工さんたちの会話もたくさん聞かせていただいた。「畳寄せ・巾木・羽子板ボルト・火打ち・水勾配など」意味が分かると、なるほどと思えることばを初めて知った。現場監督の山口さんからは こうしたらどうですかと、私たちでは思いつかないことを提案していただいた。LEDを天井に埋め込んだ照明のこと、二階の天井裏の梁を見せる構造にしたこと、引き戸を吊り金具を使って敷居のないバリアフリー構造にしたことなど、昔の外観を生かした中に新しい内部の作りはどれも満足できるものにできあがった。