工務部
9.152018
和気あいあいの工務部便り Vol.01 【京町家設計塾に参加して】
2017年竣工 山﨑監督担当
昨年末に、京町家再生研究会様主催の、「京町家設計塾」に参加をさせていただき、京町家の歴史・文化や、京町家のしくみ・構造等を学ばせていただき、京町家の魅力に触れることができました。座学だけではなく、実際に改修後の建物を見学したり、実践形式で、改修前の建物調査や測量等をさせていただき、とても内容の濃い経験ができました。
現在の京町屋の形は、様々な木の組み方や意匠が見られた中世を経て、近世に入り畳の敷込みが普及し、1700年頃(元禄、宝永)には間取りや装置等が形として確立されたとのことで、300年以上に渡って引き継がれてきたと聞いて驚きました。当時はもちろんの事、参考書など無く、主に大工職が設計士の役割も行い、設計図は板図、施工図は尺杖のみ、という環境の中で、一つの建物に対し大半の作業を担っていた大工は特別な存在だったと思います。実際にどのような間取りにして、各部屋の配置関係を決め、快適に住めるような工夫を表現させていくのかということが、歴史を通じて現代に至り、京町家の伝統技術が継承されていることを学び、改めて貴重な建物だということを認識しました。
2016年竣工 山口監督担当
また京町家に対する思いや、その必要性等、残さなければならないと立ち上がって運動をされてきた方々がいなければ、今の京都に町家はどれだけ残っていたかは分からないと思います。その京都のシンボルの一つである、貴重な建物を残していくために、自分も建築に携わる者の一人として、京町家は避けては通れない存在ですので、これからもより深く京町家について、学んでいきたい思いました。
作 :工務部 山﨑
編集:工務部 楠