お客様の声
1.12007
第5回 夢が広がる増改築
荒川重勝 様=談 (ねっとわーく京都21 2007年1月号より)
私は40年前、立命館大学に赴任する際のことだが、岩倉に電鉄会社の小さな建て売り住宅を買い求め、仙台から移り住んだ。10年後、その床の間付客室の改装工事を依頼したのが、人見建設とのそもそもの出会いだった。御健在であった先代とうら若き兄弟(現在の社長・専務)に携わって頂いた。私は、日本建築の豊かな伝統に育まれた京都の大工さん方の仕事に少なからぬ関心を寄せていた。実は私の父も大工の棟梁であった。知らず知らず工事の中身を厳しい目で見ていたような気がする。出来上がりは端正で心から納得のいくものであった。それに心一つに親子が体を動かす姿は映画のシーンのように美しかった。郷里から京都見物の親類縁者を次々と迎えた日々の幸福な思い出と重なって瞼に浮かぶ。
その後10年して、子供達が個室をほしがるようになって市原に越し、更に10年余りを経て、再び人見建設を煩わした。長男の結婚を前に我が家を増改築、完全独立二世帯住宅に変身させてもらった。以前よりずっと頑丈で楚々とした雰囲気のこの家を長男夫婦はとても気に入っていて、仲良く共働き生活を続けている。
今回は、昔、子供達が使っていた部屋をぶち抜いて、いわゆるバスルーム、ミニキッチン、バルコニーを備えた滞在型客室になるかどうか検討してもらっている。来月、外国留学中の次男のところに初孫が生まれる予定なのだが、その女の子が少女に成長してスカートの裾を翻して階段を昇り降りする姿や、この10年海外で結婚生活を送ってきた長女夫妻が京都でも親戚友人との交流を楽しむ姿を目にすることができたら、どんなに嬉しかろう。