お客様の声
8.12008
第22回 永く住むために、家づくりのプロと共同作業で
橋本 洋 様 (ねっとわーく京都21 2008年8月号より)
わが家は今年が築70年目、移り住んで30年、戦前まだ少しのゆとりがあった頃の注文建築で、2つの坪庭がある路地奥の家だから住みやすく落ち着く。移った時に大改築をしたが、30年の間に水回りがいたみ、免震構造もない家なので思いきって手を入れた。多分、自分が生涯を過すであろう住まいの、自分の目が届く最後の改修工事である。
改修のあと、設備機器の不具合などいくつかの手直しもあったが、一番いいのは、何かあればスグに来てもらえる安心感、つまり信頼できるホームドクターをかかえているようなものであろうか。一言つけ加えると、耐震工事は費用・緊急性などからなかなか踏切れないものだが、工事の前後とでは、地震がきたら(不安感)から、地震がきても(安心感)に変わったことに驚くばかりである。長い目で見れば、このことだけでも耐震補強をする価値があるとも思える。
住まいのよさは住んでいる家屋の“よしあし”だけでは計れない。暮らしやすい地域環境、交通の便・日常の買物・医療機関・公共施設、緑や静けさ、隣近所との関係などにも左右される。おおげさにいえば、住まいは地域社会、ひいては町づくりとも密接に関わっている。人見建設の事務所がある寺町界隈は、自分にとって京都で最もすきな散策地である。そのよさは地域の人達の町づくりの努力によるところが大きいのであろう。
さて、人見建設との関り合いというと、小生は70年代前後に御所南にある職場でほぼ20年を過ごした。その間、労働運動や市民運動を通して地域の人達との結びつきを深めた。勿論、居酒屋や本屋さんなどとのなじみの関係もある。その頃は人見建設の先代が元気に活躍された時期であった。我が家の改修工事はその延長線上にある。
住みやすい住まいには永く住みたい。そのためには信頼できる家づくりのプロとの共同作業が大切である。