お客様の声
1.12010
第36回 先斗町にギャラリーが出来ちゃった。
現代美術アーティスト LICCA 様 (ねっとわーく京都21 2010年1月号より)
九州から京都に遊びに来て、ある日、古本屋でも往こうと寺町通りを歩いていたら、不動産屋さんの窓に「値下げしました!」のキャッチが書かれたビルの物件情報を発見。
宿に帰って早速ネットで検索したらナカナカ面白そうな物件なので、翌日には案内して貰う事にしました。築年数は経ってましたが手入れが良く、なにより先斗町と木屋町の間という立地が最高!人見建設という信頼できそうな会社と、前所有者の愛情が感じられる建物ということもあり、即購入しました。1~3Fは貸し店舗として人見建設さんにテナント募集を依頼しましたが、困ったのはエレベーターが無く、階段だけのビルの4階の部屋。以前は事務所として使われていたのですが、退去後の年数も長く、なんとなく廃屋の佇まい。
これじゃあ誰も借り手がいないから倉庫にでもしようかと思っていたら、「そうだ、自分でギャラリーを開こう!」との天啓(悪魔の囁き?)が。
現代美術のアーティストとして主に九州で活動している私にとっては、美大の多い京都は若手アーティストの活躍が見られる楽しい土地。でも、どうせやるならよくある貸しギャラリーではなく、売れない作品を造るアーティストが作品展示で収入を得られる営業形態を考え、カフェを併設して売り上げの一部を作家に還元してみようと思いついたのです。
しかし、調べてみると飲食店には保健所の許可が必要で、3個のシンクやタイル貼りの床といった要件をクリアしなければならず、不動産購入で借金の重圧に喘ぐ私には内装工事を発注する余力がない。
そこでまたまた悪魔の囁きが・・・「自分で内装すりゃあ良いんじゃない?」
かくして半年間、片道600㎞の遠距離通勤作業が始ったのです。
床を剥がし、壁を造り、特製キッチンを製作し、上下水を配管までほぼ一人で作業。しかしエアコンだけは人見さんにお願いし、2009年10月にオープンしました。
人見さんの所で物件に出会わなければギャラリーオーナーになんかなってなかったのに、と、現在は不思議な心持です。今後は月に一回、現代アートの企画展をやっていきます。先斗町にお出での際は宜しく。 http://www.licca.info/