第４９・５０回 　　　快適空間に心から感謝　―新築なった家に住んでみて―

松田　博 様 　　（ねっとわーく京都２１　２０１１年２・３月号より）

　30年前に購入し家を構えてようやく一人前になった気がしたが、直後の改装やその後の改築にずっと借金生活を続けてきた。生活が少し落ち着いた15年前には、またまた隣の家を購入し、改築して2軒をドッキングさせた。この全ての改装、改築に関わっていただいたのが人見建設さんである。今回、2世代同居に当たって三度目の改装か、建替えかで気持ちがゆれていたが、ましてや近所の人からは参考にとお家も見せてもらい、業者紹介の労をとってもいいなどと親切な声掛けをいただくとなおさらだったが、結局相談したのは人見建設さんであった。これまでの付き合いの信頼感が自然とそうさせたといってよい。
　2世代同居の家に建替えることを決めてから5カ月近く、設計図に盛り込むべき希望を述べ続けたが、担当のＭさんは辛抱強く図面に反映してくれた。要望はほぼ全面的に満たされたといっていい。相談する相手が違っていたらいったいどんな結果になっていただろうか。
　とくに大手に頼むと既成の家型になるか、資金的には追いつかない事態が招来したかも知れない。人見建設さんは、工務店としての親切な対応と会社としての組織性を存分に感じさせてくれるに十分で、私たちの資金繰りも考えたそれでいて十分な内容の図面が出来上がった。そして棟梁はそれを形にしてくれた。今年の7月初めに新宅がなり、間借りから戻り住んで5カ月、日が経つにつれ、使い勝手の良さに感じ入っている。
　旧宅のそれに3倍する玄関は、広くて来客の応対にも気兼ねすることもなく、時には上がり縁に腰掛けて話合うこともある。玄関すぐの階段は、旧宅は狭く急勾配であったが、新宅のそれは幅広で、むしろゆったりした勾配は年を重ねるわが身にはたいへん有難い。
　1階は私たち夫婦のスペースにしたが、なによりも以前のような隙間風はなく、12月に入っても凍てつく雰囲気は全くない。部分的ではあるが床暖房を取り入れたことにより寝室も凌ぎやすい居室になった。もう一部屋は書庫にしたが、部屋備えつけの本棚を作っていただいた。この本棚は、本箱の3倍の収容力があり、以前のように積み上げていたダンボール箱は姿を消し、蔵書のほとんどが収容できた。それだけでなく、妻のパソコン練習部屋としてはもちろん、少人数のお客の応接室にさえもなっている。部屋としては期待以上の活躍ぶりだ。
　2階は2世代共通スペースとして台所と座敷の2部屋を設けた。空調機を取り付け全面床暖房にした台所は、町内会行事後の慰労会会場として、友人知人のパーティ会場として、はたまた妻のオカリナ練習会場として、フル回転の活躍をしている。今年の夏の猛暑時はクーラーの効いた快適空間だったものが、この冬はストーブのいらない空間としてあり、気持ちを和ませてくれている。座敷は、15名以上の来客があると第二会場として使っているが、常は憩いの場として君臨している。旧宅は14,5名以上の集いが全く無理だったことを思い返すと、感慨一入である。 　3階は息子夫婦のスペースで、夫婦部屋と2人の孫にそれぞれの部屋を設けた。この4月に小学校に入った上の孫は友達好きで毎日のように遊んでいるが、3階の部屋が遊び場として一日として空くことはない。ましてや日曜日ともなると終日賑やかな部屋になる。旧宅では同一のフロアということもあって子供の声が耳に痛かったが、今はほとんど気にならない。むしろ微笑ましくすら感じている。これは建替え当初考えてもみなかったことであるが、大事なゆとりであった。
　ガレージは1階部分に併置した。これは勿論容積率の兼ね合いで設けたものだが、8人乗りの乗用車が入るスペースとなっている。休日はもちろん、遠出の家族旅行に大活躍する車が便利に保管してある。近所にあるガレージの月極め料金の高額さを考えるとほんとうに有難いことだ。
　最後にオール電化のことだが、これについては人それぞれに思いがあると思うが、私たちが以前には及びもしなかった良さを味わっている。中でも、栓を閉じ忘れ火がついたままではないかと再度確認に家にかえるという、とりわけ年を重ねるにつれての無駄が全くなくなったことだ。このオール電化はもちろん、快適な床下暖房、ペアーガラス窓、ベランダや出窓、洗濯物干しの位置や高さまで、そしてなによりも建築行政の厳しさの中での行政対応まで、すべてに渡って十分な内容で応えていただいた。
　一生の一大事であるわが家の新築工事は、人見建設さんがあってのことと感謝しているが、こうした信頼できる工務店・会社が身近にあることは本当に心強いことである。