お客様の声
6.12012
第61回 満足する出来栄えの絵が画けた
日置 恒人 様 (ねっとわーく京都21 2012年6月号より)
最初は、めくれ落ちだした家の外壁を被っていた板を張り替えるだけのつもりでいたが、その一カ所だけを替えた姿を想像した時、他にも色々改修するべき箇所が出てくるもので、それらを改修した時の全体像が私には描ききれなかった。
人見建設の松田さんと話をして、私の意をよく分かっていただき、焼杉板と漆喰で全体の外壁を被うという改修工事を進めてもらうことにした。
そして、夏の終わり頃、家の改修工事は私の誕生日に、足場組みから始まった。
秋になり工事が終わった今から思えば、よくぞあれほど朽ちるにまかせていたものだと、家がかわいそうで、すまない気持ちになった。
たしかに、何も手を加えず、見向きもせずにいたら数年後に、えらいことになっていたかもしれない。
最初に外壁を被っていた板やモルタルをはがされた家を見た時、哀れでもあったが、こんなになってもふんばっていたと思うと、感心もした。
毎日、工事の様子を見るのが楽しみで、明日はどのようになるのかと想像し、それにしたがい日々家自身が息を吹きかえし、呼吸をしっかりとしだし、何となく凛としてきたように見えてくるのが楽しみだった。
本当は、私も金槌を持って大工さんと一緒に作業をしたかったのだがそうはいかず、残念でしたが、寡黙で淡淡と仕事をこなす左官さん、さっと来て、さっと作業を済ませ、いつの間にか、水切りのトタンを付けていかれる板金さん、工事初日に、それだけで私には作品に見えた足場を組んでいかれた職人さん、そして丁寧に自分が納得する作業を、ほぼ一人で毎日こなされ、私も十分満足した仕事をしてもらった大工の小嶋さん、私が想い描いていた以上の仕上りにしていただいた松田さん、ありがとう。
私もその間、下絵から仕上と満足する出来栄えの絵が画けた。