不動産部
1.152024
不動産部 よもやま話 Vol.19【符丁と不動産業界】
「ほな、一人チェーマンな!」
飲み会の会計の際、友人が放った言葉です。
「チェーマン」
皆さんはご存知でしょうか?
答えは「1万」です。
1=チェー、2=デー、3=エー、4=エフ、5=ゲー、・・・
芸能関連の業界ではそんな言葉を使うらしいです。
芸能界に限らずとも各業界には独自の業界用語ってありますよね。
今回はそんな業界用語について、私自身の経験や、ちょっとした調査をもとに書き記したいと思います。
ギネ、ウロ、アッぺ、ヘモ、ラパコレ、ゾロ・・・
医薬品メーカーでMR(医薬情報担当者)として勤務していた頃には、お医者さんとの間でこんな業界用語を普通に使っていました。
ギネ=産婦人科
ウロ=泌尿器科
アッぺ=虫垂炎
ヘモ=痔
ラパコレ=腹腔鏡下胆のう摘出術
ゾロ=後発医薬品、ジェネリック医薬品
27年前に離れた業界ではありますが、いくらでも出てきます。案外覚えているものです。
若い頃の記憶は脳にしっかりと定着するのでしょうかね。
さらに業界用語には、業界外の人にわからないようにすることを目的として使う符丁、いわゆる隠語もありますよね。
「こないだもろた やままるの表、やにこいわぁ。あんなもんつけたら さっぱりわややで」
どうでしょう?お分かりになるでしょうか?
畳業界の符丁に加え、方言も混ざっていて、何のことやら全くご理解いただけないのではないでしょうか?
正解は
「先日仕入れた2,000円の畳表は傷みやすいです。あれを畳に加工したら全然駄目です」
てな感じになります。
符丁となる部分は「やままる」。その他意味不明と思われる言葉があるならば、それは方言のせいでしょう。
京都で先祖代々畳屋を営んできた家に生まれ、今も兼業で生業としている私には解る言葉なんですよ。
数字を符丁に置き換える業界は多いらしく、それぞれの業界で異なる符丁を使っているようですね。きっと、お客様には知られたくない仕入れ値なんかを話すときに重宝するのでしょう。
質屋、たばこ商、古着商、魚卸商、呉服商、すし店、、、 なんと おっさん(和尚さん)にまであるらしいです。
畳業界での数字の符丁は
まる =0
だい =1
やま =2
うろ =3
つじ =4
かたり=5
りゅう=6
しゃく=7
ぬけ =8
きゅう=9
因みに、下駄屋さんの業界においても畳業界と同じ符丁を使っていたと親父から聞いたことがあります。全く関連性のない業界なのに何故なのでしょうね?
さらに、私の属する不動産業界の符丁についても少しばかり調べてみました。
「カラ電(からでん)」
不動産営業マンが使う営業手法で、顧客の前で電話をしているようなふりをすること。本当のことを顧客に言いにくい場合に、その場で電話をかけるふりをして、まるで電話の相手方から得られた情報であるかのように振る舞い、その場を誤魔化す手法です。
「呼び物(よびぶつ)」
ネットや店頭に情報を公開しているものの実際には案内できないオトリ物件のこと。
家賃が安い、駅から近いなどの好条件を有する物件が取り扱っているかの如く装い、集客する手法です。
※オトリ広告は不動産公正取引協議会で禁止されています。
「決め物(きめぶつ)」
不動産営業マンが本当に売りたい(貸したい)と思っている物件のこと。
多数の物件を顧客に説明する時間や案内する時間を惜しみ、お客には、後述の「当て物」と比較してもらい、「決め物」を選ばせるように誘導し、出来るだけ効率良く契約を取りたいと考える営業マンが用いる手法です。
「当て物(あてぶつ)」
決め物に対して、その当て馬として使われる条件の劣る物件のことを言い、決め物とは対になる符丁です。
「天ぷら(てんぷら)」
架空の契約、またはキャンセルを前提とした契約のことで、契約数を稼ぐために架空の契約をでっちあげ、後ほどキャンセル手続きをとることを言います。不動産業界によくみられるノルマが背景にあります。
他にも色々ありましたが、敢えて弊社では使わない、ヤバい不動産業界の隠語を抽出してみました。
どうでしょうか?
不動産業界ってほんと怖いですね~
みなさんの持たれている不動産業界の印象はいかがですか?
正直なところ、不動産営業である私自身もあまり良いイメージを持っておりません、、、
2023年3月31日現在、京都府下の宅地建物取引業者(不動産屋)の数は、
うろ やま つじならび (3244)もあるらしいです。
なので、
「不動産屋は選んでくださいね!」
おしまい